そんなつもりはなかったけど、コロナのせいで母を自宅で看取ることになった話(5)。

そんなつもりはなかったけど、コロナのせいで母を自宅で看取ることになった話(5)。

全然関係ない話

FOLFIRI+ベクティビックス治療の開始(フルオロウラシル+レボホリナート+イリノテカン+ベクティビックス)を6クール(約4ヵ月間)続けていた母。

巷では新型コロナウイルスの流行が懸念され外出自粛措置が取られていた。

長いこと家にこもっていると外出するのがすっかり億劫になってきた。

体力をつけていかないとそのまま行商に引き込まれてしまいそうだ。

母の日記より

CT検査施行。がん細胞は広がる一方

幸いなのは母がきちんと主治医を信頼し、自分で治療方法を選択してきたので治療に対して前向きだったことだ。

けれどもFOLFIRI+ベクティビックス治療は副作用から肌が荒れがちになり、ストーマのトラブルが続発したことで辛かったようだ。

さらにこの時期行ったCT検査では肝臓に転移したがん細胞は非情にも全く縮小していなかったうえ、肺や子宮、卵巣にも転移していることが判明し、さすがに手詰まり感がでてきているようだった。

CTの結果、肝臓の転移が減少してなく、肺や子宮にも転移していることが判明。

今までの化学療法を見直して飲み薬のみの治療に。

母の日記より

ロンサーフという内服薬に治療変更

ロンサーフ配合錠を35mg(20mg錠+15mg錠)を5日間服用し2日間休薬。次週も同じく服用したあと2週間休薬する、という内服薬のみの治療が始まった。

1日朝・夕2錠の薬を5日間飲み、あと2日間休薬。このサイクルをもう1回繰り返したあと2週間休薬。4週間が1クールという治療。もう少し頑張ってみよう。

母の日記より

FOLFIRI+ベクティビックス治療から切り替えた途端、皮膚トラブルは改善し母の気力は若干盛り返した。

が、しかしロンサーフ治療の副作用「倦怠感」が強かったようで、何もできずただダラダラする日々に自己嫌悪に陥っている様子だった。

体がだるく思うように動けない。レース編みに集中しようとするも背筋を伸ばすことがなかなかきつい。

これでいいのだろうか?

母の日記より

薬の副作用で一日中体がだる重い。何もできない状態。

最小限のことをして過ごす。

母の日記より

ロンサーフの副作用

  • 吐き気、口内炎、食欲不振
  • 発疹、かゆみ、脱毛など(があらわれる場合がある)
  • 骨髄抑制(免疫力が下がる)

ロンサーフ2クール後、腫瘍マーカー爆あがり

抗がん剤で一時期196.2まで落ちていたCEAという腫瘍マーカーの値が2クールのロンサーフ治療後2万まで爆上がった。

消化器系のがんで高値となるCEA

CEAはCarcinoEmbryonic Antigen:癌胎児性抗原というもので、消化器系のがんや2-6月齢の胎児の消化管や肝臓、膵臓などにも見つかる糖タンパク質。

CEAの値が高いだけで「イコールがん」であるとは判断できず、他の腫瘍マーカー、MRIやCT、エコーや内視鏡といった画像検査と合わせて診断に繋がる。

母の場合はCT、エコー検査とCA19-9という腫瘍マーカーと合わせて転移がんの経過が見られていた。

積極的な治療の中止。下腹部に出始めた違和感

副作用の倦怠感が母のQOL(Quality Of Life:生活の質)を著しく下げていること、前のCT検査、血液検査ともに化学療法の効果が見られないことから、これ以上の積極的な治療は中止となった。

レース編みの大作にかかる。130×200cmのテーブルクロスが完成。未完成になるかとちょっと不安だったがクリア。

採血の結果、腫瘍マーカーの数値がとんでもなく上がっている。今回の科学治療は中止することにする。

薬を飲んでいると体の倦怠感と頭の思考が停止するようで自分的にもあまり気が進まない。

そのまま、そっとして、がんと一緒に生活してもいいんじゃないかと思う。自然にまかせよう!

母の日記より

ちょうどこのあたりで、母が新聞で『がん細胞を徐々に消していくために患者ができること』という本を見つけてきて読みたい、と言ってきたのでAmazonで購入した。

良くない結果に打ちのめされてはいないだろうか、と心配だったがほんのタイトルが前向きだったので少しホッとしたのを覚えている。

実際では一人涙で枕を濡らしていたかもしれないし、本当のところ本人がどういう心理状態だったのかはわからないが、化学療法をやめてからは食欲も回復し(コロナ禍中であったため控えめに)外出などもしていた。

少し前にハマっていた「ケンタッキーのチキンフィレサンド」なんかも食べてて末期がん患者とは思えなかった(笑)。

がん患者、いや病人としてどうなんだろ(笑)?

がん患者、いやそもそも病人としてこの食事はいかがなものか? と一瞬思ったが、「本人が食べたいモノが何よりも薬となる」と信じることにして一緒に食べた。

母が息を引き取る日まであと51日

採血検査の結果が出て1週間を過ぎたあたりから、本人曰く下腹部に違和感が出始め、実際見た目も腹部全体が大きくなりつつあるようだった。

下腹部に違和感を感じるが強烈な痛みを感じるわけではない。不快感が一生続くのだろうか。

いい加減消えてくれ。

母の日記より