目がもやもやして見えにくくなった話。(閃輝暗点)

目がもやもやして見えにくくなった話。(閃輝暗点)

2020-04-22

仕事中に視界にもやもやした何かが見えはじめて、見るべきところが見えなくなってしまった話をします。

びっくりしました。こんなの初めてだったんでかなり動揺してコップを割ってしまったよ…。ゴメンナサイ。

最近目を酷使していて、ドライアイ気味でもあったのでここ2〜3週間はメガネ生活をしていました。

「目を休める」ってめっちゃむずかしい行為ですが、せめてコンタクトからメガネに変えればちょっとは目に優しいかなぁーって思って…。

そんなとある日の昼下がり、私は一心不乱に名刺を作っていました(笑)。名刺というのはざっくりデザインしたあと、それぞれ個別にカーニング(文字間)の調整とかをやっていくんですが、その作業中は「モニター凝視」であります(「目を休める」んじゃなかったのか(笑)?)。まばたきすら忘れがち…。そしたら、

なんか光の残像が見える…

はじめはモニター上になんか光の残像的なものが見えました。屋外で太陽を見たあと、暗がりに移ると視界に緑色っぽい光がぼやーっと映る、そんな感じでした。

いかんいかん!目を休めねば! そう思って2〜3回ゆっくりまばたきしたあと(意味あるんかい!)ゆっくり目を開けたとき…

右側のもやもやした半月状の何かが見える!

自分が見たものを正確に残したくて、もうGIF動画まで作っちゃったよ。

閃輝暗点(せんきあんてん)の様子
閃輝暗点の見え方

ちょうど英語の名前の部分の微調整をしているときで、「え? え?」ってなった。見たいところが全然見えない。

しかも、フチの部分がギザギザしててなんだかコワイ。目が悪いからついに網膜剥離でも起こしてしまったんでは?と思いました。

しかもこの半月状のギザギザが、だんだん大きくなって右側の視野を蝕んでいくのです。

私の脳はほっとくと悲劇的ストーリーを瞬時に組み立てる

そだ! 休憩だ! とりあえずお茶でも飲んで落ち着こう…そう自分に言い聞かせて、席を立ってカップにお湯を注いでいたら、やはり動揺していたのか左手からするりとカップが落ち、床に盛大にお湯をぶちまけたのでした。ゴメンナサイ。

視界をモニターから外すと、まーそこまでは気にならないけれども、でもやっぱりジラジラ光が見えます。

目を閉じても暗闇の中で何かがちらついています。

前にも書きましたが私の脳は基本的にネガティブで、ものの数秒の間に悲劇的なストーリーを仕立て上げました。

悲劇的妄想パターン1:失明

このままチラつきが視界を覆い、だんだん薄暗くなって失明。職を失い野垂れ死ぬ。人生終了。

悲劇的妄想パターン2:脳卒中

チラつきは戻るものの、脳卒中となり意識不明。病院で寝たきり。人生終了。

悲劇的妄想パターン3:高次脳機能障害

高次脳機能障害になり、視覚の認知に障害が出て仕事ができなくなる。引きこもって野垂れ死に。人生終了。

数秒で3つも悲劇的なストーリーが駆け巡り、ふと我に返って「明日病院に行こう…」と決意し割れたカップを片付け席に戻ったのでした。

発生から約20分、チラつきは視界からゆっくりと姿を消した。

チラつきが発生してから約20分が経過したころ、大きくなった半月状のギザギザは視界の上の方に移動していって、ふわっと消えてしまいました。

もどった! よかったーーー (´;ω;`)! めっちゃコワカッタ。

というわけで、ソッコーで自分に何が起きていたのかググってみました。

「視界 もやもや」で画像検索

「視界 もやもや」で画像検索をかけたところ、半月のギザギザ画像がいくつかヒット!

で、自分が一番見え方が近い!と思ったのがWikipedia先生に載ってたヤツでした。

An interpretation of what is believed to have been a form of scintillating scotoma, experienced by the author in June 2011. It is to be looked on at the center of the image.

Häggström, Mikael (2014). “Medical gallery of Mikael Häggström 2014”. WikiJournal of Medicine 1 (2). DOI:10.15347/wjm/2014.008. ISSN 2002-4436. Public Domain.

ミカエル・ヘッグストロームさんが2011年6月に見たもやもや(笑)。

「閃輝暗点(せんきあんてん)」っつーらしい。

Wikipediaによるとこの半月のチラつきは「閃輝暗点」っていう難解な名前が着いているらしく、かの芥川龍之介も閃輝暗点に悩まされていたのだとか。

おもに偏頭痛持ちの方は閃輝暗点に悩まされており、「閃輝暗点」→「激烈な偏頭痛」→「嘔吐」までが一連の発作になっていると。

((((;゚Д゚))))!!おそロシア! こんなものに定期的に襲われるなんて!

で、ドキドキしながら待ち構えていたんですが「激烈な偏頭痛」も「嘔吐」も全く起きませんでした。

閃輝暗点のみで、頭痛がない中年は要検査!

引き続きWikipediaには大事な事が書かれてました。

中年の場合で、閃輝性暗点だけあって、その後に頭痛を伴わない場合は、まれに脳梗塞脳動静脈奇形脳腫瘍や、血栓による一過性の脳循環障害が原因である可能性がある。

Wikipedia「閃輝暗点」

なぬーーーーー! (`・ω・´)!!

というわけで眼科ではなく、脳神経外科に行くことにした。

念のため、過去2回分の健康診断の結果を持って、ググって良さげだった近所の脳神経外科に行きました。

1日で検査&結果説明まで! って感じだったんですが、私の都合で結果は翌日にしてもらいました。

クリニックでは、脳のMRI検査をして血栓や梗塞、腫瘍がないかのチェックと血液検査をうけました。

結果、すばらしい脳! と褒められました(笑)

検査の結果、先生に「すばらしい脳!」とお褒めいただきw、閃輝暗点も「視覚をつかさどる部分(視覚野)の血管が収縮し、一時的に血の流れが変化するために起こったのではないか?」と結論づけられました。あーよかった。

閃輝暗点から偏頭痛、嘔吐の一連発作が起こる方は、閃輝暗点が出た段階で早めに鎮痛剤を飲むなど対処していたほうがいいそうです。

いろいろググったら、若い人がこれらの発作に悩まされているようで、ほんと大変(´;ω;`)!って思いました。さぞコワイだろうし、辛いでしょう。

周りにそんな人がいたら優しくしてあげてね。